炭焼雷は、広島の中心部に3店舗あります。
あと少しで創業50年。
この節目を前に、私の記憶の扉を開いて、雷のこれまでを少しずつキロクしていこうと思います。
1977年だったか、1978年だったか。
実は、炭焼雷の正確な創業年は、誰も覚えていません(!)
2009年(平成21年)の火災で、創業当時の資料がすべて焼けてしまったからです。
雷が最初に店を構えたのは、並木ロータリーから歩いて1分ほどの場所。
その店が、炭焼雷の創業店舗「並木店」です。
そんな雷ですが、私には今でも鮮明に覚えている光景があります。
私がまだ小学校低学年だったころ。
父に連れられて雷を訪れ、ドキドキしながらカウンターにちょこんと座ったこと。
周りには、着飾った大人たち。
Tシャツとスカート姿の私は、なんだかこのお店の雰囲気に合っていない気がしていました。
大人たちの中に、ひとり紛れ込んでしまったような、そんな気持ち。
でも、雷の職人さんたちは、そんな私を子ども扱いしませんでした。
一人前の大人と同じように、一人のお客様として接してくれたのです。
うちわをバチバチ鳴らして、威勢のいい掛け声が飛び交う中。
少しだけ背伸びをして味わった、あの日の焼鳥。
そのときのドキドキと、誇らしい気持ちは、今でも覚えています。
創業年を証明する資料は残っていません。
でも、私の中には、あの日の雷が残っています。
*写真は、今はもうない並木店。雷のすべてはここから始まりました。
この記事を書いた人

村井 由香(むらゆか)
株式会社キャピタルコーポレーション 代表取締役
幼いころ、父に連れられて訪れた炭焼雷。大人たちに混じってカウンターに座り、一人前のお客様として接してもらったときのワクワクした気持ちは、今も忘れられない。2005年に創業者である父の入院をきっかけに専業主婦から代表取締役に就任。経営の知識も覚悟も十分ではないまま社長となり、父との別れ、2009年の店舗火災など、幾つもの困難に直面する。そうした経験を経て、社員とともに会社をつくる経営へと転換。創業以来の味と技術を受け継ぎながら、時代に合わせた店づくりや新たな商品開発にも取り組んでいる。
「雷ばなし。」では、幼いころの思い出から経営者としての経験まで、炭焼雷のこれまでとこれからを、自身の言葉で綴っていく。
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